のこりもの、不良品、戦略不足 (別名ゴミ箱)
小説と言えないものたち。 基本書きかけ・中途半端・続かない。 続きが閃いたら書くかもしれない。 コメントは大歓迎です。
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※あんまり関係ないけど3Z設定
※片思いとか失恋とか桜水は大好きだよ(=ラブラブじゃないよ)
「俺と、付き合ってください」
あ~、もういいか。
驚く程、静かな心境だ。
答えが決まっているとか気持ちが揺るがないとからそういったものとは真逆の意味で。
でも、諦めるというのとも、違う。
こんな状況だっていうのに心がこんな静かだってことは、私そんなにあいつのこと好きじゃないのかも。
その結論を出してしまう自分があまりに冷静で笑いそうになった。冷静なんじゃなくて、苛立ちも含んでいることも分かっていた。
もう冬じゃないか。私はセーラー服にカーディガンを羽織るようになった。あいつも学ランを着るようになった。出会った頃と同じように真っ黒な格好をして、男の癖に白い肌を際立たせて。
私があいつを好きになったのは、春じゃないか。出会った頃、黒い学ランと白い肌の意地悪そうに笑うあの男を好きになったのは、春じゃないか。もう何ヶ月も前、季節が二度も変わる前だ。
あれから何が変わっただろう。お互い顔と名前を認識するようになって、些細なことで口喧嘩をするようになって、それだけじゃ足りずに手足を交えた乱闘をするようになって、でもまた普通に会話をして、意外に気が合うところもあって、二人で悪戯をして大笑いすることもあって。
それは全部春の間に起こったこと。そして冬になるまで幾度も繰り返してきたこと。
なんにも、いつまで経っても進展していない。
「振られるのが怖い」だとか、「だから今のままでいい」だとか、私はもう思わなくなった。
それよりも苛立つ。私はあいつが好きで、だからずっと見ていた。そして或る嬉しくて悲しくて苛立つ結論に達してしまう。
あいつも私のことが好きなのだ。
時折自分に向けられる視線の意味だとか表情とか頬の色とか私が他の男と話した後の機嫌とか眉間の皺とか八つ当たりぶりなんかが、その結論に達した瞬間全て納得がいくのだ。
納得して、私は嬉しくなって悲しくなって苛立った。
だからこそ思う。「あ~、もういいか」と。
そして「この人と付き合ったら、あいつはどんな顔するかな」と、笑いそうになるのを抑える。
「…――いいよ」
「そうっすよね俺みたいな奴があの神楽さんと………え?」
「だから、いいよって言ってるアル」
目の前の、夏まで陸上部に居たという同級生は、自分で言ったくせに大層驚いた様子で「いいんですか!?」と繰り返す。
もう冬なのに、夏までの名残だろうか。あいつとは似ても似つかないほど肌の色が黒い。学ランの前をぴっちりと留めて、背筋を伸ばして私の前に現れた時点でそう思った。あいつとは微塵も似ていない。
「何、付き合う気もないのに告白してきたってことアルか?」
「いや、違うんです!もてもての神楽さんだし、誰が告っても速攻断るって聞いてたし、俺なんかがいいのかと!」
「うん、気が向いた」
名前も知らない――告白の前に名乗られたのだけど、もうすっかり忘れてしまった――私の彼氏になる男は、ガッツポーズをしたり一人で万歳したり飛び上がったりと、喜びを体で表すことに余念がない。
そうそう、これでも私はもてているのだ。月に数回告白されているし、ラブレターだって貰うんだ。メールアドレスを聞かれたことだって数え切れないし、教えた覚えのない男からのメールもしょっちゅう。
だから、それら全てを一刀両断につっぱねてきた私に彼氏ができたことなんてあっという間に広まる。明日の朝には、校内の大半の人は知っているだろう。この男の様子だとすぐに周囲に報告をしに行くだろうし、私も「内緒にしてね」なんて言わないし、友達に聞かれたら否定しない。
つまり簡単にあいつの耳にも入るってこと。私を好きなあいつに、あいつの好きな私に彼氏ができたって。
もう、想像するだけで笑いそうになる。悲しいって思うのかな。悔しいって思うのかな。あのポーカーフェイスにどうやって感情を滲ませるのかな。
目の前の男につられるみたいに、我慢できなくてやっぱり少し笑ってしまった。
私があいつを一心に見つめていたときは全然気付かなかったのだ。
でもある時唐突に気付いてしまった。それは前みたいに頭の中があいつだけだった時ではないし、授業中も盗み見るような熱心な感情からではない。
あいつも私が好きなのだ、と気付いたとき。
それは、私の愛情が冷めて、冷静になったからじゃないか。
客観的に私とあいつを見られてしまうような、冷静さを取り戻してしまったからではないか。
だから嬉しかった。あいつも私を好きでいてくれたんだってことが。
だから悲しかった。自分の冷静さが、愛情が薄れてしまったんじゃないかという迷いが。
だから苛立った。あいつか私が好きって言えていれば、何の問題もなく私たちは幸せな恋人になれていたのではという取り戻せない未来が。
それでも私はあいつの反応が気になる。どんな悔しい顔をするんだろう。どんな視線を私に向けるのだろう。或いは、向けなくなるのだろう。わくわくする。
やっぱ私って、あいつのこと好きなのかしら。分かんない。…分かんないや。
でもそれはきっと、好きだから構ってしまう、ちょっかいを出したがる、というような小学生みたいな行動からで、恐らく恋愛初期の感情に近い。
それが少し、悲しい。
悲しくて、おかしい。
end.
ほぼ一発書きの数時間クオリティ!流石ですね。意味が分からないですね。
桜水はこんな沖神も好きだってはなし。ラブラブばかり書いてたって楽しくないからね。
たまには神楽が沖田を困らせる、悲しませる話があったっていいじゃない。創作だもの。
※片思いとか失恋とか桜水は大好きだよ(=ラブラブじゃないよ)
「俺と、付き合ってください」
あ~、もういいか。
驚く程、静かな心境だ。
答えが決まっているとか気持ちが揺るがないとからそういったものとは真逆の意味で。
でも、諦めるというのとも、違う。
こんな状況だっていうのに心がこんな静かだってことは、私そんなにあいつのこと好きじゃないのかも。
その結論を出してしまう自分があまりに冷静で笑いそうになった。冷静なんじゃなくて、苛立ちも含んでいることも分かっていた。
もう冬じゃないか。私はセーラー服にカーディガンを羽織るようになった。あいつも学ランを着るようになった。出会った頃と同じように真っ黒な格好をして、男の癖に白い肌を際立たせて。
私があいつを好きになったのは、春じゃないか。出会った頃、黒い学ランと白い肌の意地悪そうに笑うあの男を好きになったのは、春じゃないか。もう何ヶ月も前、季節が二度も変わる前だ。
あれから何が変わっただろう。お互い顔と名前を認識するようになって、些細なことで口喧嘩をするようになって、それだけじゃ足りずに手足を交えた乱闘をするようになって、でもまた普通に会話をして、意外に気が合うところもあって、二人で悪戯をして大笑いすることもあって。
それは全部春の間に起こったこと。そして冬になるまで幾度も繰り返してきたこと。
なんにも、いつまで経っても進展していない。
「振られるのが怖い」だとか、「だから今のままでいい」だとか、私はもう思わなくなった。
それよりも苛立つ。私はあいつが好きで、だからずっと見ていた。そして或る嬉しくて悲しくて苛立つ結論に達してしまう。
あいつも私のことが好きなのだ。
時折自分に向けられる視線の意味だとか表情とか頬の色とか私が他の男と話した後の機嫌とか眉間の皺とか八つ当たりぶりなんかが、その結論に達した瞬間全て納得がいくのだ。
納得して、私は嬉しくなって悲しくなって苛立った。
だからこそ思う。「あ~、もういいか」と。
そして「この人と付き合ったら、あいつはどんな顔するかな」と、笑いそうになるのを抑える。
「…――いいよ」
「そうっすよね俺みたいな奴があの神楽さんと………え?」
「だから、いいよって言ってるアル」
目の前の、夏まで陸上部に居たという同級生は、自分で言ったくせに大層驚いた様子で「いいんですか!?」と繰り返す。
もう冬なのに、夏までの名残だろうか。あいつとは似ても似つかないほど肌の色が黒い。学ランの前をぴっちりと留めて、背筋を伸ばして私の前に現れた時点でそう思った。あいつとは微塵も似ていない。
「何、付き合う気もないのに告白してきたってことアルか?」
「いや、違うんです!もてもての神楽さんだし、誰が告っても速攻断るって聞いてたし、俺なんかがいいのかと!」
「うん、気が向いた」
名前も知らない――告白の前に名乗られたのだけど、もうすっかり忘れてしまった――私の彼氏になる男は、ガッツポーズをしたり一人で万歳したり飛び上がったりと、喜びを体で表すことに余念がない。
そうそう、これでも私はもてているのだ。月に数回告白されているし、ラブレターだって貰うんだ。メールアドレスを聞かれたことだって数え切れないし、教えた覚えのない男からのメールもしょっちゅう。
だから、それら全てを一刀両断につっぱねてきた私に彼氏ができたことなんてあっという間に広まる。明日の朝には、校内の大半の人は知っているだろう。この男の様子だとすぐに周囲に報告をしに行くだろうし、私も「内緒にしてね」なんて言わないし、友達に聞かれたら否定しない。
つまり簡単にあいつの耳にも入るってこと。私を好きなあいつに、あいつの好きな私に彼氏ができたって。
もう、想像するだけで笑いそうになる。悲しいって思うのかな。悔しいって思うのかな。あのポーカーフェイスにどうやって感情を滲ませるのかな。
目の前の男につられるみたいに、我慢できなくてやっぱり少し笑ってしまった。
私があいつを一心に見つめていたときは全然気付かなかったのだ。
でもある時唐突に気付いてしまった。それは前みたいに頭の中があいつだけだった時ではないし、授業中も盗み見るような熱心な感情からではない。
あいつも私が好きなのだ、と気付いたとき。
それは、私の愛情が冷めて、冷静になったからじゃないか。
客観的に私とあいつを見られてしまうような、冷静さを取り戻してしまったからではないか。
だから嬉しかった。あいつも私を好きでいてくれたんだってことが。
だから悲しかった。自分の冷静さが、愛情が薄れてしまったんじゃないかという迷いが。
だから苛立った。あいつか私が好きって言えていれば、何の問題もなく私たちは幸せな恋人になれていたのではという取り戻せない未来が。
それでも私はあいつの反応が気になる。どんな悔しい顔をするんだろう。どんな視線を私に向けるのだろう。或いは、向けなくなるのだろう。わくわくする。
やっぱ私って、あいつのこと好きなのかしら。分かんない。…分かんないや。
でもそれはきっと、好きだから構ってしまう、ちょっかいを出したがる、というような小学生みたいな行動からで、恐らく恋愛初期の感情に近い。
それが少し、悲しい。
悲しくて、おかしい。
end.
ほぼ一発書きの数時間クオリティ!流石ですね。意味が分からないですね。
桜水はこんな沖神も好きだってはなし。ラブラブばかり書いてたって楽しくないからね。
たまには神楽が沖田を困らせる、悲しませる話があったっていいじゃない。創作だもの。
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